知床半島には約7,700世帯、1万8千人弱の住民が暮らしています(2016年3月末現在:斜里町11,935人・羅臼町5,344人)。H25(2013)年度の生産額は漁業260億円、農業103億円、水産加工業156億円以上でした。知床は、日本にとって重要な食料生産基地の1つです。
知床の豊かな自然はヒグマだけではなく、たくさんの人々、地元のみならず本州など遠く離れた地域の人々の命をも育んでいるのです。
なお、秋鮭定置網漁や昆布漁などの漁業は世界遺産地域内においても、古くから行われています。そのため、ヒグマと一次産業との軋轢(あつれき)は、世界遺産地域の中か外かを問わず、頻繁に発生しています。
半島東側(羅臼町側)には、世界遺産地域内にも夏期だけ漁業者が居住する昆布漁番屋が多数あり、7~9月には多数の漁業者が女性や子供も含む家族総出で夜間も海岸で働いている。そのような場所に人を避けないヒグマが度々出現する現実がある。
この写真のように数m四方の範囲の小麦が畑の辺縁で複数箇所なぎ倒され、穂先が食べられているパターンが多い。この例ではすぐ近くの土の上に前掌幅15.5 cm(オス成獣サイズ)の足跡が確認された。
ヒグマによる農業被害は、ビート、小麦、ニンジンで発生する。
※参考)知床エリアの観光客数 (斜里2013年度・羅臼2011年度)
斜里町:日帰り77万8千人、宿泊44万3千人、計122万1千人。観光消費額 約124億円
羅臼町:日帰り44万人、宿泊7万3千人、計51万3千人。観光消費額 不明(統計なし)
観光客の基本的流れは、女満別空港 → 斜里町 → 知床峠 → 羅臼町 であるため、羅臼町の日帰り観光客の大部分は、斜里町側と重複している可能性があります。
私たちは、知床で自然を「知り・守り・伝える」活動をしています。
これらの活動は知床を愛する多くのサポーターの皆様に支えられ、今後も支援を必要としています。