描いて伝える知床
●動物画家 田中豊美氏の知床取材
実施日 10月13日~21日
知床の自然、そこに息づく生き物達の躍動・生態をわかりやすく伝え、より多くの人々に理解を深めてほしい。生き物たちの生態だけでなく躍動感や命のきらめき、感動、問題意識など、写真・映像や文章では伝えきれないものを表現したいという思いから、知床財団では出版物やホームページなど私たちの情報発信ツールとして、動物画の活用を検討しています。日本を代表する動物画家 田中豊美氏のご協力を得て動き出したこの企画、まずは制作のための取材に田中氏を知床に招聘。各季節年4回の取材のうち秋の取材が先日行われ、当財団スタッフがご案内しました。
誕生と芽吹きがあふれる春の取材、短くとも命のパワーが爆発する夏の取材を経て、今回の秋のご来訪では、実りの季節を存分に満喫する生き物たちの姿を精力的に取材されました。田中氏を迎えたのは、厳しい冬を前に貯食に余念のないエゾリスたちや、黒々とした立派な冬毛に身を包み繁殖期を迎えたエゾシカの群れ、冬ごもりを前にサケや木の実など秋の恵みを次々平らげていくヒグマ達、そしてそのおこぼれに預かるキツネやタヌキ、ワシ類など。田中氏は紅葉に染まる風景の中で出会ったこれらの生き物たちの姿を、次々にスケッチに納められていました。
生き物は美しい。多くの感動を与えてくれる知床の自然を未来へ残していくためには、より多くの人たちにその姿を伝え、愛する気持ちを分かち合うことが必要です。その架け橋となる田中氏の絵画は来春の完成予定です。(担当:加藤)