新栄小学校 長期宿泊体験
実施日:2007年9月11日~13日
新栄小学校の3~6年生に秋の知床を感じてもらう2泊3日の秋の長期宿泊体験が無事終了しました。
新栄小学校は知床半島基部の清里町にある全校生徒18名の家族的な小学校。「長期宿泊体験学習モデル校」ということで、1年を通じて知床についてじっくり学ぶ計画です。
五月に知床財団スタッフによる出前授業の実施、6月には1泊2日で春の宿泊体験。森作りの現場を歩き、100平方メートル運動地内で「自分の木」を決めてじっくり観察しました。そして今回は「自分の木」に再会する「森の日」、磯で海の豊かさに触れる「海の日」、海と陸をつなぐ「川の日(サケマスの日)」と盛りだくさんな3日間でした。
一日目は「森の日」。
「自分の木」との再会です。皆、あんまり変わってない「自分の木」にちょっと不満?!(笑) でもフィールドノート片手にしっかり観察。木の身長は~・・あんまり変わってなかったね。でも葉の付け根に小さな芽が出ているのを発見した子も。春の宿泊体験から3ヶ月、着実に季節は移ろっていました。
午後のツリーイングは知床アウトドアガイドセンターのガイドさんたちにより実施。
高~い木に手をあてて「登らせてくださいね」と挨拶をしてから、さぁ登るぞ!
一番てっぺんまで登ったり2種類の木を登った子や、途中で自分の登った高さに気づきハンモックへ移行した子など色々でした。私も体験させてもらいましたが、ロープ1本でのツリーイングはなかなか大変な運動。でも木のてっぺんからの景色は最高!!鳥になった気分でした♪
二日目は「海の日」。
亀岩の磯場で磯の生き物採集と観察。皆、網を片手に大はしゃぎ!でっかい魚を捕った子やウニをたくさん集めたり(最後に海に戻します)貝を集めてた子など皆思い思い頑張って採集しました。実は校長先生が一番魚を捕っていたかも?!(笑)
潮が満ちて来て、磯から引き上げる頃には、皆の長靴はすっかり水没(笑) 長靴を逆さにしてジャーって水を出しながら、観察した生き物たちを海に戻して、陸に上がりました。
午後は採集した生き物の一部を持ち帰り、種類の同定。知床財団のお魚博士こと野別から、いっぱいヒントをもらいながら、図鑑と見比べて一生懸命同定しました。女子の班は海藻の同定。お魚博士のお話で、この海藻が生えている磯場は多くの生物にとって大切な逃げ場であり生活の場所だということがわかりました。
三日目は「サケ・マスの日」。
漁港でシロサケの陸揚げ見学のあと、ペレケ川で川に上るカラフトマスの見学。雄マスが雌マスを追っている姿を見て、思い思いにカップルマスの気持ちを叫んでいる魚なりきりタイプの子、財団スタッフを質問攻めにして、フィールドノートにいっぱい書き込んでいる子、子供たちの反応も個性的で様々でした。
その後、岩尾別川支流の川沿いを歩き、砂防ダムの有無が及ぼす影響を学びました。サケの一生をテーマにしたネイチャーゲームで、オショロコマやヒグマなどの外敵に襲われたり、漁船やダムなどの障害物を経験したことで生き残る大変さを身をもって感じた模様。
そのおかげか最後には、ダムについて説明する財団スタッフに「ダムについてどう考えてますか?」とズバリ切り返した質問がでました。予想外の質問にスタッフもかなり動揺していた様子(笑)
子供達が予想以上に真剣に考えていることに私もひたすら感心。
この3日間、生態系という大きなサイクルの一部を色々見て、触って、知りました。北海道出身ではない私は、こんな大自然に触れる機会はとても贅沢だなと思ってしまいます。もっと多くの子供達、大人にこんな機会があればいいのになぁ、と。そして今回、確実に子供達には得たものがあり、この経験が彼らの一部をつくることと思います。
・・・清里町に帰っての第一声が、「ホテルのバイキングがおいしかったぁ」でないはずですよ(笑)
(担当:インターン伊藤)