日本クマネットワーク・知床財団共催フォーラム「国立公園・保護地域のクマと人の折り合いの付け方」
実施日:10月12日 13:00~16:00
会 場:ウトロ漁村センター
3日間にわたる知床財団20周年記念プログラムの中日にあたる10月12日、日本クマネットワークと知床財団の共催フォーラムをウトロ漁村センターにて開催いたしました。このフォーラムには、国内外から各2名づつ計4名の演者をお招きしました。
第一部では、各演者に知床国立公園、尾瀬国立公園、中部山岳国立公園、アラスカ州カトマイ国立公園における人とクマに関する事例紹介をしていただきました。知床国立公園では、90年代中ごろからクマの出没が増えたこと、クマの人馴れがその増加の一要因と推測されるといった発表がありました。尾瀬国立公園や中部山岳国立公園では、人を見ても逃げないクマが見かけられるようになっており、その対応に苦慮していることなどが発表されました。クマ観察を目的に訪れる観光客の多いカトマイ国立公園からは、クマと人のトラブルを防止するための仕組み、観光客に対するレクチャーや公園内でのルールについて紹介がありました。
第二部では、会場からの質問に答える形でパネルディスカッションを行いました。人馴れしたクマと食べ物を目的に人前に姿を現すクマはどのように違うのか?具体的にどのようなレクチャーがカトマイ国立公園で実施されているのか?など、会場からの質問をもとに活発なディスカッションが展開されました。
このフォーラムへは、町内外からおよそ200人とたくさんの方にご参集いただきました。3時間とフォーラムは長時間に及びましたが、会場は終始熱気に包まれていました。このフォーラムが、知床で今後、どのようにヒグマと付き合っていくのか、人の安全を確保する為にどのうような仕組みを整えるべきなのかを関係者、地元の住民が一緒になって考えていくきっかけとなってくれればと思っています。