斜里町越川の敬老会でアラスカのお話をしてきました
実施日: 2010年7月16日(金)
斜里町越川地区の自治会の敬老会で、情報係の加藤が知床とアラスカの野生動物対策のお話をさせていただきました。この自治会では地区の敬老会を毎年大々的に開催し、会食だけでなく地区の方々の興味ある分野の講師などを招いての講演などを企画しているそうです。
越川地区は斜里町でも有数の農業地帯。今回会場にいらっしゃった皆さんもほとんどが農業に従事する方です。エゾシカやヒグマなど、野生動物との知恵比べで苦労されている方も多く、知床財団の野生動物対策スタッフもしばしばこの地域での対応に駆けつけています。そこで今回は、知床での野生動物対策の現状を紹介するとともに、昨年に職員研修で派遣されたアラスカで見聞きしたことを知床と比較しながらご紹介しました。
ヒグマ・ウォッチング目当てに世界中から人がやってくるアラスカのカトマイ国立公園、野生動物観察や原生自然のどまんなかでのトレッキングやキャンプを楽しもうという人々でにぎわうアラスカ屈指の人気国立公園・デナリ国立公園の様子の他、アンカレッジ市街のお話などもまじえ、約1時間にわたってお話しました。
当日会場には50名以上の方々がいらっしゃったのですが、「ヒグマを見たことがある」という方が半数以上。自分の畑で見た方や、畑の作物が荒らされたことがあると言う方もいらっしゃいました。だからこそ、遠いアラスカの人々も、ヒグマなどの野生動物と向きあい同じように試行錯誤しているという今回のお話を、実感を持って聞いていただけたと思います。発表中はお見せする写真にみなさんくぎ付けで、何度もうなずきながら聞いていただけました。発表後も、アラスカの生き物の暮らしや生態などについて、質問がいくつもとび出しました。
今回は地域の方々と一緒にアラスカの話を通して知床のいまを見つめるいい機会になりました。越川の皆さん、お招きどうもありがとうございました。(担当:加藤)
*写真提供:越川自治会事務局