「第2回知床森づくりの日・夏」実施報告
実施日:2010年8月27日(金)~31日(火)
知床の開拓跡地を原生の森に戻す取り組み『100平方メートル運動の森・トラスト』。この運動の一環として、全国から集まった皆さんと合宿形式で森づくり作業に打ち込む「第2回知床森づくりの日・夏」を開催しました。
近くは美幌町や中標津町、遠くは東京・愛知・大分から14名の皆さんにご参加いただき、北海道とは思えない暑さの中、4泊5日の日程で森づくり作業に汗を流しました。
森づくり作業の内容は、広葉樹の苗木を育てている苗畑の草むしり、シカから木を守るネットの交換、防鹿柵の修繕作業などなど。さまざまな作業や現場を体験していただくことで、知床の森と100平方メートル運動地の現状をより広く知っていいただけれたのではないかと思います。
昼間の大仕事のあとは、温泉と北海道の旬の幸を使った夕食です。新物のサケやサンマ・トウモロコシなど旬の食材を使い、参加者の皆さん自身でわいわいといっしょに食事を作るのもこのイベントの醍醐味のひとつです。
今回ご参加いただいた14名の皆さん、暑い中ほんとうにありがとうございました。
この暑い知床の夏をたまにでも思い出していただければうれしい限りです。
(担当:松林)
■参加者の皆さんからひと言:
黙々と作業をこなすわけではなく、現在に至る歴史を聞き、また触れることで、モチベーションを上げて楽しくこなすことができました。テレビや新聞で遠くから眺めるだけではなく、この活動に参加でき有意義で幸せなひと時でした。(M・Tさん 30代 男性 静岡県)
夏休み期間だったので若い方たちの参加が多く良かったと思います。防鹿柵の中と外での植生の違いを解説してもらうことで、シカの存在が森林の再生に、いかにネックになっているかが、はじめての参加者にも実感できて良かったと思います。食事面では、サケやサンマなど、北海道の季節のおいしいものを出していただけて、ごちそうさまでした。(M・Yさん 60代 女性 神奈川県)
以前よりウトロへは観光で何回も足を運びガイドツアーに参加していました。東京に住んでいたころから、モーリー、Faura、East Sideなどの北海道の自然雑誌を定期購読し、また、しれとこライブラリーをはじめ知床関連の本を見つけては読み、観光では入れない知床に入らせていただける機会を求めておりました。それが実現した今回、想像以上、百聞は一見にしかず・・・感動の連続でした。森の番人や知床財団の皆さんのスキルに対して、素人の私たちができた作業量は大河の一滴でしょうが、森づくりを考えるきっかけとなり、また、とにかく行動できたという実感は私だけのものではなかったと思います。今回参加された皆さんと知り合えたことも宝物となりました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。(M・Mさん 50代 女性 中標津町)
私は単純に知床に来たくて参加したのですが、ツアーでは知ることのできない、森林再生の実際を生で見ることができました。まさか、知床に開拓の歴史があったとは思わなかったので、切り開かれた台地に木を植え、森を作っていくのがこんなに大変なこととは思いませんでした。ただ木を植えるだけではなく、その木々をどう育て原始の森に近付けていくのか。自分の活動の結果は、100年、200年、300年経たないと分からないというお話を聞いて、開拓は数十年なのに、その逆の森林再生は100年では利かないのか、果てしなさを感じました。(O・Aさん 20代 女性 東京都)
作業の内容は大体想像していた通りでしたが、実際に作業を体験してみると、その質と量の大きさに圧倒されました。風の向きや強さ、日照、周りの草木とのかかわり、そしてシカまで、さまざまな要素を考えて日々森づくりに挑むスタッフの皆さんの姿に感動しました。貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。(K・Mさん 50代 男性 札幌市)