しれとこゼミ「デナリに学ぶ 国立公園の楽しみ方・楽しませ方」を開催しました
実施日 11月8日(月)、17日(水)
開催場所 ウトロ 知床世界遺産センター
知床財団では今年も視察研修のためスタッフ2名を8月下旬から9月上旬にかけて、アラスカのデナリ国立公園へ派遣しました。今回のゼミではスタッフがデナリで体験したことや学習したことを2回に分けて報告しました。昨年はヒグマなど野生動物対策について報告しましたが(昨年の内容はこちら)、今回はマイカー規制&シャトルバスシステムやバックカントリー利用に関するシステムなど、デナリ国立公園が取り組んでいる利用適正の方法について紹介しました。
第1回目はマイカー規制&シャトルバスシステムについて報告しました。規制というと不自由なイメージがありますが、デナリ国立公園ではビジターがシャトルバスに乗って良かったと思えるような工夫をこらしていました。シャトルバスにも色々と種類があって、ビジターは自分の目的に合ったバスに乗ることで雄大な自然を楽しむことができます。マイカー規制&シャトルバスシステムは国立公園を楽しむ側・楽しませる側双方にとって有益で優れたシステムと言えるでしょう。
第2回目はバックカントリー利用について報告しました。日本では人工物がまるでなく人っ子一人いない雄大な自然を味わうことはなかなか難しいですが、デナリ国立公園ではそれこそがバックカントリーにおいて重要として、利用者のコントロールをしています。キャンプをするビジターはレクチャーを受け、利用するエリアを指定できます。これは同じエリアに人が集中しないようにし、環境への負荷を低減することと、キャンパーが自然を満喫できるようにするための工夫です。
デナリ国立公園と日本の国立公園を一概に比べることはできませんが、質の高い自然体験を提供するために利用者をコントロールするシステムを導入しているデナリに学ぶことは多いのではないでしょうか。
(担当:能勢)