「知床ヒグマわくわくウィークエンド シーズン3」 イベント報告
旭山動物園と知床財団の共催イベント「知床ヒグマわくわくウィークエンド シーズン3」を10月8~9日の2日間にわたって開催しました。このイベントは、人と野生動物が上手に付き合い、ともに暮らしていくために、私たちにできることを来園者の皆さまに一緒に考えてもらうためのイベントです。イベント開催3年目となった今年は、参加型プログラム「ヒヤリハットヒグマすごろく」やスペシャルもぐもぐタイム「今日はごちそう 知床ごはん」などを実施しました。
今年初登場の「ヒヤリハットヒグマすごろく」は、ヒグマに出会ったらどうする?出会わないようにするためには?などヒグマの対処法について、すごろくで楽しみながら学んでもらうプログラムです。札幌でのヒグマ出没と時期が重なったこともあり、予想を超える多くの方々にご参加いただきました。「クマ鈴を鳴らして(音を出して)、ヒグマに私たちの存在を知らせよう」「ヒグマを誘引しないように、食べ物やゴミを密閉袋に入れよう」など、ヒグマに出会わないための知識を、実践を交えながら学んでもらったり、動物園スタッフが扮した着ぐるみヒグマが登場し、出会った時の対処法を実践してもらったりしました。実際に参加者が体を使うこのプログラムは、参加者の方に楽しんでいただけたようで、各回とも大盛況で終えることができました。
イベント恒例となったヒグマのもぐもぐタイムは、今年生まれたばかりの子グマ2頭も登場し、初の”親子もぐもぐタイム”となりました。知床で、野生のヒグマがこの時期食べているものや、住民とヒグマの間で起こっている農作物被害について知ってもらうためのこの企画。今回持ち込んだのはお馴染みのサケ・マス、ヤマブドウ、そして農作物のビート(砂糖大根)です。子グマは初めて見るヤマブドウやサケに興味津々。ヤマブドウ目掛けて柵を器用に登る姿や、親子3頭がサケに我先にとかぶりつく姿を間近で見てもらうことができました。また、事前に埋めておいたビートは、あっという間にヒグマの親子に掘り返されてしまいましたが、このような行動を来園者の皆様にお見せしながら、知床で起きている農作物被害という人とヒグマとの軋轢について、その現状や対策についてもお話しすることができました。
園内の特設ブースでは、私たち知床財団の活動紹介や、オリジナルグッズの販売のほか、ヒグマの本物の毛皮や頭骨を実際に触ってもらうスペースを設け、ヒグマの生態や特徴を伝える場とし、多くの方に足を運んでいただきました。
また、動物図書館では、知床財団オリジナルのヒグマの紙芝居を動物園スタッフの方に読んでいただき、こちらもたくさんの子どもたちが集まってくれました。 今回のイベントが多くの方にとって、人と野生動物が共に暮らすために、上手に付き合っていくためにどうすればいいのか、今、何ができるのか、考えるきっかけになればと思います。
今回のイベント開催にあたり、多大なるご協力をいただいた旭山動物園の皆さまには改めて御礼申し上げます。また、ボランティアとして札幌から駆け付けていただいたT様、本当にありがとうございました。 動物園のもうじゅう館前には、エゾシカの「しれとこシカ絵巻」に続き、「しれとこクマ絵巻」が登場しています。皆さま、ぜひ旭山動物園へ足を運んでご覧になってください。
(担当:田中)