徒然電気柵シリーズその2 ウトロ高原に電気柵を設置しました
知床国立公園に隣接する町、
斜里町ウトロ地区。
あまり知られてはいませんが、
実はウトロ地区にも農地が存在します。
その農地があるのがウトロ高原です。
農地における野生動物被害は日本中で問題になっていますが、ここは日本有数のヒグマ高密度地域である知床。お察しの通りウトロ高原の農地には、ヒグマが出没します。
ヒグマは農家さんが丹精込めて育てている作物を虎視眈々と狙い、その目を盗んでは畑を荒らします。今回狙われたのはテンサイ。
砂糖の原料になるダイコンに似た作物です。
大事な作物を守るにはどうしたらよいのか。
野生動物の侵入を防ぐには・・・そう電気柵です。
今回は被害にあった農家さんと協力して、畑の周りに電気柵を設置しました。
また電気柵の効果を確かめるために監視カメラも設置しました。
翌日、監視カメラを確認したところ作物ドロボウの犯人(ヒグマ)がばっちりと映っていました。
性懲りもなく再度出没したヒグマは電気柵に阻まれ畑に入れず、すごすごと帰って行ったのです。
今回はうまくいきましたが、電気柵は万能ではありません。
地形によってはうまく設置できないこともありますし、ヒグマが地面を掘って侵入してくる場合もあります。
また電気柵の効果を保つためには漏電箇所がないか日々見回りをする必要があり、管理コストもばかになりません。豊かな自然と人間の生活を両立させていくためにはどうしたら良いのか、農家さんと共に日々頭を悩ませています。