「シホテ・アリン」に行ってきました①
知床財団は知床からもっとも近い海外の世界自然遺産「シホテ・アリン」との交流を進めています。
「シホテ・アリン」って、どこにあるかわかりますか?世界地図で見ると、その近さにびっくりするほどですが、日本海を挟んで北海道の対岸、ロシア連邦・沿海州地方に位置します。シホテ・アリンになじみがない方でも、ロシアの文豪アルセーニエフの「デルス・ウザーラ」の舞台と言うと、ピンとくる方もいるかもしれません。この小説は黒澤明監督によって映画化されたことでも有名です。
知床を世界自然遺産に登録するか否か審査する過程では、既に2001年に世界自然遺産に登録されていたシホテ・アリンとの「違い」が焦点の一つとなりました。なぜなら、世界自然遺産はすでに登録済みの遺産と異なる特徴、理由がなければ、新たな登録が認められないためです。
最終的に知床はシホテ・アリンとは異なる特徴が認められて自然遺産に登録されましたが、ある意味では多くの点で共通する部分があるからこそ比較対象となったと言えます。「知床とシホテ・アリンは一体どこが同じで、どこが違うのか?」知床の遺産登録時から、ずっと気になっていました。そして、シホテ・アリン自然保護区のアスタフィエフ所長も同じ思いをもたれていたようです。双方同じ思いの中で、昨年の秋、所長の知床訪問が実現しました(招聘に際し、アサヒビール株式会社様にご支援いただきました)。そしてこの2月、今度は私自身がシホテ・アリンを訪問する機会を得ました。現地2泊の弾丸ツアーでしたが、その時の様子と、今後の交流に関する抱負を数回に分けて連載したいと思います。
(事務局長 増田)