シホテ・アリン行ってきました④
保護区事務所でレクチャーを受けた後は展示施設に案内していただきました。
沿海州地方の野生動物と言えば、なんと言ってもアムールトラが有名です。保護区でも象徴的存在で、海外からの援助もアムールトラを対象としたものが多いようでした。保護区内には7頭ぐらいとの説明でしたが、保護区職員でもそう簡単に姿を見ることはないようです。姿は無理でも足跡だけでも見たいと思いましたが、3日の弾丸ツアーではかないませんでした。
真ん中のニホンカモシカに似た動物はオナガゴーラルNemorhaedus caudatusというウシ科の動物です。名前の通り尾が長いのが特徴です。
一番下のアナグマのようなタヌキのような動物はイタチ科のクズリGulo guloという動物です。雑食性ですが、時には大型の哺乳類を襲うこともあると言われています。生態的に謎の多い動物で個人的にはぜひフィールドで出会ってみたい種でもあります。
このように日本ではあまり見ることのできない動物種もいますが、日本でおなじみの動物も多く生息しています。日本列島では北海道と本州ですみわけているヒグマとツキノワグマの両方が生息していますし、日本ではすでに絶滅してしまったカワウソやオオカミも健在です。日本列島に分布する哺乳類のルーツが対岸の大陸にあることがよくわかります(続く)。
(事務局長 増田)