サハリンカワウソ調査2013年夏
実施日:2013年6月11日(火)~19日(水)
ロシア・サハリン州南部で、カワウソが生息するために必要な条件を把握するための基礎調査を行いました。
昨年に引き続き、今年で2回目となるサハリンでの調査では、自然環境の確認だけではなく、近隣の川に生息するカワウソがサケマスのふ化場などの漁業施設に影響を与えていないかなど社会的な側面からの条件についても把握することを目的に関連施設での聞き取りも行っています。
期間中、10河川と9カ所のふ化場を訪れ、調査を行いました。結果、ほぼ全ての川で糞や足跡などのカワウソの痕跡を確認することができました。また、ふ化場での聞き取りでは、近くにカワウソがいることで問題が発生することはないことが分かりました。
今後は、今回のサハリンでの調査結果を取りまとめるとともに、DNA解析などから北海道のカワウソの遺伝学的な位置づけを明らかにするとともに、さらに海外でのカワウソの復元事例や社会的な問題点などについても調べてく予定です。
この調査は、岩尾別川流域の復元事業の一環として実施しています。同事業では、岩尾別川の河畔林や河川環境の復元だけではなく、「100平方メートル運動の森・トラスト」でも復元対象種とされているカワウソの復元を将来の究極目標として象徴的に位置づけ、その実現の可能性についての検討を行っています。
*この調査は、知床博物館のご協力を得て実施しています。
(担当:松林)