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今年のクマ事情2013年(11月末現在)



 11月末現在の速報値です。8月末現在の速報値を一度取りまとめて公表(9月14日ブログ)しましたが、春から夏にかけては平穏な状況が続きました。昨年はもとより、一昨年と比較しても少なかったことがよくわかると思います。またグラフ(拡大→グラフをクリック)を見ると、あらためて昨年の夏、特に8月の異常さが際立ちます。

 その後も全体的には平穏な状況に変わりありませんが、カラフトマスの遡上が始まった9月以降は河川での目撃、対応が増加しました。サケマスの遡上河川では遡上の季節となるとクマの出没は多くなりますが、対応が必要になるような白昼の出没は人目をあまり気にしない特定のクマの仕業であることがほとんどです。斜里町イワウベツ川では数頭の特定個体が9月以降くりかえし頻繁に出没しました。加えて彼らを撮影しようとするカメラマンが多数集まる状態がここ3カ月ほど続き、一部の人が数メートルの至近距離までクマに接近したり、取り囲んだりするといった危険な状況も発生していました。イワウベツ川河畔での目撃や対応の大部分は数頭の特定個体に関するものでした。この件に関しては別途また取り上げたいと思います。

 サケマス遡上河川での特定クマの出没を除けば、斜里羅臼ともに全体を通じて出没の少ない平穏なシーズンでした。斜里は初夏と秋のサケマス遡上時期にピークがある双山型で知床の標準的な季節変動パターンでしたが、羅臼はシーズンを通して極めて出没の少ないシーズンでした。羅臼はまさに昨年とは雲泥の差です。

昨年半島では夏場の大量出没に加え、0歳や1歳の若いクマやメスの成獣で衰弱や餓死が確認されるなど特異な年でした。それなりのダメージを受けたことは間違いなく、昨シーズンの状況が今年に影響している可能性も否定できません。但し、それを今年の結果だけで判断するのは早計過ぎます。来シーズンも今年と同様の傾向が続くのかどうか、動向が大変注目されるところです。

(増田)

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