第18回森づくりワークキャンプ実施報告
期間:2014年10月30日(木)~11月4日(火)
知床の開拓跡地に原生の森と自然を取り戻すための取り組み、『100平方メートル運動の森・トラスト』。この運動の参加者の皆さんが実際に現場スタッフと共に森づくり作業に汗を流す「森づくりワークキャンプ」を10月30日~11月4日の日程で実施しました。
今年で18回目を迎えたワークキャンプ。今回は13名の皆さんにご参加いただき、合宿形式で寝食を共にしながら森づくり作業に打ち込む6日間を過ごしました。
今年は、暖かな日が多く日中は汗ばむほど。台風直撃が予想されましたが、進路から外れたため予想外の快晴のもと、作業を進めることができました。今年おこなった主な作業は以下のとおりです。
①大型苗の掘り取り&移植(苗畑で育てたハルニレ4本、ミズナラ7本、計11本を運動地内のギャップ(※1)に移植しました。)
②岩尾別川沿いの防鹿柵の横板取付け、アンカーワイヤーの取付け(参考はコチラ)、シマフクロウよけ(※2)
シマフクロウ事故防止用に、道路側の支柱および横木に針金を設置しました。
③アカエゾマツの種子散布
運動地周辺で採取したアカエゾマツの種子。苗畑で育てて、いずれ柵外に移植します。
<用語の説明>
※1ギャップ:森の中にぽっかりと空いた「穴地」のこと。自然状態では、雨風などによる倒木によって起こります。ギャップが出きることによって、林床に届く光の量が増え、今まで暗い林床でグッと耐えてきたいろいろな植物が生育するチャンスに。森林の更新に重要な役割を果たします。ここ数年は、過去の植林地の一部を切り開いて人工的にギャップをつくり、森の立ち上がりを手助けする手法を積極的に用いています。
※2シマフクロウよけ:シマフクロウは、飛び立つときに一度下に沈み込むため、道路際の止まり木から道路側に飛び立つ際、車両事故に遭う可能性があります。そのため、わざとシマフクロウが止まり木として利用できないように、道路に面した柵のてっぺんに針金を設置しています。つまり、ここに止まると危ないよ!というメッセージ、事故を未然に防ぐ方策なのです。
■参加者のみなさんからのひと言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・自分の健康、体力に感謝。大勢の仲間に感謝。ありがとうございました。(S・Tさん 70代 男性 三重県)
・天気に恵まれ、連山の眺めを大いに楽しみました。(T・Nさん 60代 男性 静岡県)
・知床に興味のある方、ぜひ一度参加してみて。絶対リピーターになりますよ。(H・Oさん 60代 男性 大阪府)
・森づくり秋から半月の間に、木々の様子はガラリと変わっており、その変化の速さに驚かされました。やはり、季節を変えて、何度も来ると、新しい発見がたくさんありますね。(M・Kさん 60代 男性 北海道)
・我が国の「自然」の財産を守り、より美しくしようという活動に賛同し、各種イベントに関東から参加させていただいております。ボランティアは、本当に心の豊かな人の集まりで、期間中は底抜けに楽しく充実した日々が過ごせます。(S・Fさん 60代 埼玉県)
・知床だけの自然保護ではなく、知床を通して普段の生活と環境とのつながりを振り返る機会となりました。(H・Oさん 40代 男性 北海道)
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来年もこのワークキャンプの他、「森づくりの日」など、いろいろな企画を予定しています。知床の自然や森づくりにご関心のある皆さん、ぜひご参加ください。知床の森でお待ちしています。
(担当:喜内)