クマ渋滞 交通事故にも注意!
世の中はゴールデンウィークです。知床では、道路脇に現われたヒグマを見物する車両による渋滞、いわゆ
る「クマ渋滞」が頻繁に発生しています。ここに載せた写真はすべて今日撮影したものです。二重駐車、急カーブでの駐停車、なんでもありです。
おまけに、野生のヒグマを近所の犬か何かと勘違いしているのでしょうか?皆さん平気で車から降りてきます。そして写真撮影。先頭を切って親子グマにずんずん接近して写真を撮りまくり、一般観光客の悪い手本になっているのは、知床常連のプロカメラマン・・・ もはや目も当てられません。
皆さんにお願いです。道路脇にヒグマがいるのを見つけても、けして車から降りないで下さい。ヒグマはとても個性豊かです。人間に向かってすぐに威嚇突進してくる危険なヒグマも、最近道路沿いに出てきています。車から降りたあなたの安全は、一切保障できません。その点はサファリパークと一緒です。まして、お子さんを抱えて車から降りて、ヒグマに近づく(写真1)など論外です。やめて下さい。
車内から何枚か写真を撮ったら、すぐに車を移動させて下さい。ヒグマ見物の渋滞は交通事故の原因になります。今日は警察にも何度も出動してもらいました。しかしパトカーを見ないと移動しないようでは、本当に困ります。
そしてプロ・アマ問わず、カメラマンの方々へ!! 一般観光客の悪い手本になるような行動は、厳に慎んで下さい。
どうしてもヒグマを撮りたいならば、小型船に乗って半島先端部方面の海岸線で撮るか、一般観光客が簡単に来ないような、道路から離れた山奥で撮ってください。
運動靴の観光客が歩いているのと同じ場所でヒグマを撮影するような行動は、プロならば恥じてほしいものです。
知床国立公園の入口付近で撮影されまくり、人間を怖がらなくなったヒグマたち。彼ら彼女らが、狭い知床半島で最終的にどのような運命をたどっているのか?
https://www.shiretoko.or.jp/higuma/higuma2.html
プロカメラマンならよく知っているはずです。
斜里町役場から(例年なら環境省からも)業務委託を受けている知床財団のヒグマ対策チームは、今日(5月4日)は6回、計5時間以上出動し、3組6頭のヒグマを何度も何度も追い払いました。左記には、過去に数十回以上ゴム弾・花火弾・轟音玉などによる追い払いを経験しているのに、行動改善が認められない、人前に白昼平気で出てくることをやめない、特定の親子グマへの対応も含まれています。この親子は、今春は餌不足で体力が弱っています。追い払いによる行動改善はもはや期待できないため、クマ渋滞の原因にさえならなければ、車から降りてノコノコ近づく人さえいなければ、そっとしておいてあげることも、短期的には不可能ではありません。
でも、実際の現場の状況は前記のとおりです。交通事故防止、あるいは突発的な人身事故防止のため、人から見えない場所に移動するまで、消耗している親子グマをしつこく追い回して追い払うことになります。「このようなヒグマはさっさと殺すべきだ」という意見が、内部からも外部からも出てきます。
知床へ来る、あるいは知床に住む皆さんに再度お願いです。
ヒグマを道路脇で見かけても、車からけして降りないで下さい。
長居せず、速やかに車を移動させて下さい。
(担当:石名坂)