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第20回森づくりワークキャンプを開催しました!

img_0113%e3%83%96%e3%83%ad%e3%82%b0%e7%94%a8実施 日:2016年10月30日(日)~11月4日(金)

羅臼岳がすっかり白くなり、知床に本格的な冬がやってきました。11月にしては例年よりも気温が低く、雪がちらつくほどでした。

そんな中、第20回になるワークキャンプを開催しました。ワークキャンプは、毎年10月30日から11月4日までの5泊6日で開催している森づくりのイベントです。今回は道内外から9名のボランティアの方が参加し、森づくりの作業に打ち込みました。  

今回行った作業は以下の通りです。

①トドマツ苗の山採り
トドimg_0078%e3%83%96%e3%83%ad%e3%82%b0%e7%94%a8マツは、知床に自生している針葉樹です。毎年10月に開催している森の集い(植樹祭)で、ここ数年植えている樹種でもあります。今年の植樹祭では、およそ200本のトドマツを植樹しましたが、実はこのトドマツは3年前に、山に生えていた幼木を移植(山採り)して、植樹祭に向けて育てていたものです。
このワークキャンプでは、数年後に向けて225本のトドマツを山採りし、苗畑に植え付けました。

②キハダの種子のimg_0088%e3%83%96%e3%83%ad%e3%82%b0%e7%94%a8採取
キハダは、エゾシカが好んで樹皮を食べるため、知床ではその多くが枯れて、本数が減ってしまった樹種です。現在、運動地に生えるキハダの本数を増やすため、種子を採集し苗木を育てる計画を進めています。
キハダは、一つの果実の中に、5個ほどの小さな種が入っていますが、果肉が付いていると、種子が発芽しにくくなる場合があるため、果肉を除去する必要があります。これが意外と大変。果肉と同じ色をした、小さな種子を取り出すのは根気が必img_0147%e3%83%96%e3%83%ad%e3%82%b0%e7%94%a8要な作業です。
皆さんの力を合わせて、たくさんの種子を集め、苗畑に播くことができました。

③大型苗の移植
大型苗は苗畑で種子から育て、樹高5mほどまで成長した広葉樹の苗で、毎年ワークキャンプではこの大型苗の移植作業を実施しています。
苗が大きいので、腰が埋まるくらいまで土を取り除いて、苗を掘り出すのですが、それだけでも一苦労です。初めて参加した方は、常連参加imgp8258%e3%83%96%e3%83%ad%e3%82%b0%e7%94%a8のベテランさんと協力して、アドバイスを貰いながら作業していました。
掘り取った苗はクレーンで運び出して、防鹿柵の外に植え付けます。植え付ける場所は、アカエゾマツの造林地の中です。
運動地の中には、アカエゾマツの造林地があり、そこはほとんどアカエゾマツとササしか生えておらず、他の樹種が育っていません。そこで現在、運動地では、一部のアカエゾマツを伐採し造林地の中に空間を空け、そこに広葉樹の大型苗を植えることで、造林地に生える樹種を増やしていく作業を実施しimg_0227%e3%83%96%e3%83%ad%e3%82%b0%e7%94%a8ています。
大型苗を植え付ける際も、また地面を掘って苗を植える場所を作ったり、苗が風に煽られないよう支柱を立てたりしします。また、エゾシカに樹皮を食べられないよう、樹皮保護ネットも播く必要があります。今年は、ミズナラやハルニレなど8本の広葉樹を植え付けました。
数年前に移植した大苗の根元を見てみると、小さな広葉樹の実生が出ていました。大型苗が落とした種子から出てきたものでしょうか。いつかこのアカエゾマツの森が、多くの樹種が入り混じる針広混交林になる日を夢見て作業しています。img_0172%e3%83%96%e3%83%ad%e3%82%b0%e7%94%a8

 

また、最終日には運動地のトレッキングや、開拓小屋で、薪ストーブを囲みながらのお茶会も行いました。参加者の皆さんには、楽しんでいただけたのではないでしょか。さらに、ワークキャンプでは、森づくりの作業だけではなく、宿舎での交流も楽しみの一つです。知床で採れたシロサケを使った石狩鍋img_0312%e3%83%96%e3%83%ad%e3%82%b0%e7%94%a8やチャンチャン焼きや、今が旬のかぼちゃを使った料理、スタッフおすすめの地元のパンなど、名物を用意させていただきました。また
のお越しをお待ちしております。また、知床でお会いしましょう。

(担当:森脩)

 

 

 


〈ボランティアさんからの一言〉

・ゆったりとした空間・時間の中で活動できた貴重な時間でした。活動の内容も参加者のことを考えて、多種の活動を組み込んでいただけて、興味しんしんでした。(N・Nさん 60代 女性 静岡県)

・初めての参加でしたが、楽しく作業できました。来年もぜひ参加させて頂こうと思います。(H・Sさん 50代 男性 大阪府)

・いつもこんな素敵な仲間たちと一緒に活動できることがとてもうれしいです。新たな意欲・力が湧いてくるのを感じます。こういう機会を下さってありがとうございます。(M・Kさん 60代 男性 北海道)

・今年も楽しいワークキャンプでした。新規の参加が待ち望まれます。(T・Nさん 60代 男性 静岡県)

・楽しいの一言です。(H・Oさん 60代 男性 大阪府)

・北海道、特に知床は交通機関に頼らず、是非自分の足で踏みしめて頂きたいと思います。(Y・Aさん 70代 男性 神奈川県)

・作業は色々と大変で、体力も少しは必要としますが、今後、若い人や地元の人に参加してもらえるよう、アピールしたいと思います。(Z・Hさん 60代 男性 北海道)

 

 

 

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