羅臼とウトロの交流事業
知床では地元の子供たちが自然と郷土を学ぶ、羅臼町の「知床キッズ(しっとこきっず)」と斜里町の「知床自然愛護少年団」(以下、愛護少年団)という活動があります。
年間を通しそれぞれ羅臼町と斜里町で活動をしていますが、年に2回、両団体が一緒になって行う交流事業があります。今年は6、7月に実施したその交流事業についてご紹介します。
まずは1回目、6月25日に行われた「知床岬クリーン作戦」です。
この時期は毎年羅臼町の知床キッズが実施している事業で、ウトロから愛護少年団の子どもたちも一緒になって知床岬の清掃活動をします。しかし今回はあいにくの雨で船は出航できず・・・。残念ながら当初の野外活動は断念し、羅臼ビジターセンターとルサフィールドハウスの見学をすることになりました。
愛護少年団の子どもたちの中には「羅臼に来るのは初めて!」という子もいたので、羅臼の事を学ぶいい機会となったのではないかと思います。また、知床キッズの子たちにとっては、改めて羅臼の自然について学ぶいいきっかけとなりました。
2回目は、7月9日に行われたチャシコツ岬での磯観察です。
毎年ウトロの愛護少年団が地元の磯へ出かけていき、潮が引いた海岸で生き物を観察する活動です。この機会に知床キッズたちが羅臼町からバスで移動して一緒になって参加しました。
観察方法は2つで、1つはタイドプール(潮だまり)にどんな動物がいるのか一か所で5分間じっくり観察します。
すると、はじめは海藻などに隠れていて見えなかったコマイ等の小魚が出てきました。
2つ目は、捕獲大作戦。
生き物を捕まえて観察します。本来は漁業権がないと海の生き物を捕獲できませんが、この日は特別!ウトロ漁業協同組合に申請して1日だけ許可を頂き、捕まえて手元でじっくり生き物を観察できるのです。
子どもたちは、優しく丁寧に捕まえた生き物を水槽に移して静かにじーっと観察していました。
羅臼町の知床キッズと斜里町ウトロの知床自然愛護少年団の交流事業は、今年で4年目を迎えました。いつまでも羅臼とウトロの子どもたちが交流できる機会を作っていきたいです。
知床財団 茂木