「ダイキン工業 第13回知床ボランティア」実施報告
実施日:2017年9月22日(金)~25日(月)
ダイキン工業の社員の皆さん12名にお越しいただき、この秋も「100平方メートル運動の森・トラスト」の森づくりのお手伝いをしていただきました。
連日天候にも恵まれ、9月の知床らしい気候の中、上の方が少し色づきはじめた知床連山の山並みを望みながら、苗木の移植や苗畑の整備、防風柵の補修などの作業を進めることができました。
同社のご支援によるこのボランティア活動も今回で13回目となり、これまでご参加いただいた皆さんは、ちょうどのべ150名となりました。
今回は、少しだけ苗木を植えたりもしましたが、その他の大半は、穴を掘ったり、柱を立てたり、釘を抜いたり打ったりとそんな地道な作業ばかりの連続です。しかし、いつもの通り笑顔でしっかりと着実にこなしていただきました。
また、今回は、現在新しく造成を進めている苗畑の整備作業のお手伝いもしていただきました。ただ、「整備」といってもただひたすた土の中のササやワラビの根っこを取り除いていくだけのこれも地道な作業です。しかし、さすが皆さんの根気と人数の力で予定の面積を短い時間で終えることができました。
今後、ここで、またいろいろな方々に協力していただきながら、数年後の植樹を目指して小さな木々の育成を進めていきます。
お手伝いいただいた成果が見え始めるは数年先、本当の成果が見えるのはずっと先のことになりますが、そんな息の長い取り組みをしているが知床の森づくりです。
宿舎での生活や北海道の旬の幸、また今回は時期も重なり足を伸ばした羅臼のお祭り、そして森づくり、そんなもろもろを含めて秋の知床を体験していただけたのではないでしょうか。
この4日間、ほんとうにありがとうございました。
また知床の森でお待ちしています。
(担当:松林)
■ボランティアの皆さんの一言
・知床の大きな連山、海、森、またそこに住む野生動物たちに囲まれて、普段の仕事に追われる毎日は「生きている」ことを実感することはなかなかありませんが、これからもこの環境を守り続けていかなければ、ということを改めて強く思いました。このような知床での取り組みをもっとたくさんの方に知ってもらうことも、私にできることかなと思います。(H.N 女性 30代)
・現地に入り、植樹から始まって地起こし、防風柵建造とその解体と多岐にわたり、しんどさと共に大きな達成感も味わうこともできた4日間でした。そして単に植樹するだけでは森は出来ない事も知りました。そして同じ自然に住む動物が樹木の成長を妨げる問題もあるということで森の再生の困難さを感じると共に、何か自分にできることを継続して実行していきたいと感じています。(H.N 男性 50代)
・実際に知床の現場を目の当たりにして、自然を守るための取組みの規模の大きさを実感しました。人がここまで手を加えないと自然を守れない、ということと何もしなければどうなってしまうのか、ということを感じました。森林保護、森の再生というのは試行錯誤の部分があり、いろんな方法を試しながら、またその効果を検証しながら本当に気の遠くなるような作業と時間の積み重ねの上に成り立っているということをこのボランティアを通じて感じました。(T.Y 男性 40代)
・今回のボランティアは、苗畑植替え、畑の整備、柵作りとどれも力のいる作業であり、日ごろの運動不足から体力的にきつい場面もあったが、ふとした瞬間に周囲に広がる自然の美しさに、疲れも吹き飛ぶようであった。普段の生活の中では森や自然に触れることはめったになく、森林がどのように育ち、維持されているのかということへ考えることは少なく、そこにあって当たり前、自然に育つというように考えがちであったが、壊すのは一瞬、作るのは長い時間がかかるということをほんの一部であるが垣間見、体感した。(Y.K 女性 20代)
・今回の活動を通して二つの感情が芽生えました。一つは達成感です。年代や育ってきた環境の異なる方々と協力して、苗の植樹や土壌の耕起、防風柵の建築などを行い、努力が目に見える成果となって現れる過程の中に、少しばかりの達成感が芽生えました。もう一つは自然再生の難しさです。植樹した苗が立派に成長するには50年近くの歳月がかかること、シカや台風などの外的な影響から木々の成長を守る工夫など、自然が破壊されるのは一瞬でも再生には莫大な時間と労力がかかる所に、再生という言葉の体現がいかに困難なのかを痛感しました。
(D.H 男性 20代)
・森づくりの活動を通じて、自然は壊すのは一瞬だが、元あった状態になるには膨大な時間がかかることを身をもって実感できました。今ある自然環境を守っていくことの大切さを感じました。また、財団さんとの交流も本当に楽しく、また財団の皆さんに会いに訪れたいと思いました。(K.Y 女性 20代)
・今回は台風の直後で倒木が多く見受けられた。老いたり根が浅い木は倒れ、朽ち果てることを実感した。今回初めて野生のヒグマを見ることができた。ラッキーだった。自然の中で分野の異なる作業をするのは楽しい。作業重視の実動隊ボラも企画して欲しい。冬の作業もやってみたい。(A.T 男性 50代)
・毎回、自然保護保全に関する課題が聞けて、勉強になる。寄付以外に栽培や収穫などの作業オプションを収入源としても良いと思う。エコツーリズムのようなビジネスとして成長産業となってほしい。(N.I 男性 40代)
・普段できない貴重な体験ができました。仕事や日常生活に追われ、環境や自然保護についてほとんど考えることがなかったと思います。これをきっかけに自分の身近な環境や自然保護にも目を向けていきたいと思います。最後に、いろんな方々に多大なご支援をいただき無事に活動を終えることができました。すべての方々に感謝申し上げます。再度、参加のチャンスを得られることを心から願っております。(A.M 男性 60代)
・3年前に参加したとき、ネット柵を造り終え【達成感・満足感】はありました。今回、緑化が進んで自然復元への道を歩み出しているのを見て胸が熱くなりました。今回の移植では、この木が育つためには、土をしっかり踏み固めないと、風雨に負けてしまう。ということも、1週間前の台風が教えてくれ、負けないような植樹を汗をかきながら行った。また、防風柵の役割を聞き、確かに柵の前後の木は育っているが、離れると育っていない。木を風から守る柵も、風や雪に耐えるように、穴を掘り、綺麗な土で埋め戻し、土を固める。壊れた自然を回復させるためには、長期に耐えうる工夫と愛情を持って作業を行う事の大切さ大変さを今回も痛感した。(T.K 男性 60代)
・知床財団さんのホスピタリティもあって、辛さもなく、楽しいひと時を過ごすことができた。以前から、自然保護に関する興味は持っていたものの、関心に波があり、具体的な行動にも移すことができていなかった。今回、自分自身がボランティアととして、自然保護を実体験できたことで、単なる客観的な事象としてではなく、自分事として環境について考えることができるようになったと思う。今後も知床とのつながりを大事に、関心を保っていきたいと思う。(Y.S 男性 ?代)