クマ撃退スプレーの使用訓練を行いました
4月になってから知床国立公園の中ではヒグマの目撃情報や足跡の痕跡情報などが寄せられるようになりました。レジャーや仕事で野外へ行く方は、ヒグマ対策を忘れないようにお願いします。
私達も仕事でヒグマの生息地に入ることが多いわけですが、ヒグマと事故を起こすことがあってはいけません。そのため万が一のために常にクマ撃退スプレーを携帯しています。
しかしこのスプレーは持っているだけでは不十分で、いざという時にすぐに使えるよう訓練をしておく必要があります。またスプレーには使用期限があるので、定期的に日付をチェックしておく必要がありますね。
そのため職員を対象に4月上旬に練習用スプレーを使用した訓練を実施しました。※本物は劇物なので練習では使用しません。
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実際のヒグマ相手に練習はできないので、写真を張った板が相手します
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ヒグマがずんずん近づいてきます。 足が長すぎですね。
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これで距離5mです。これ以上だとスプレーが拡散してヒグマに届きにくくなります。
まずヒグマ撃退スプレーには有効距離があるので、ヒグマとの距離感を掴む練習を行いました。ヒグマの巨大写真を張り付けた板を50m離れた場所から段階的に近づけていきます。だいたい2~3歳のヒグマがこの大きさです。野外では物の大きさや距離感が分かりにくくなるので、実際に距離を測りながら確かめていきました。
スプレーの有効距離は約5mと説明されているので、ヒグマが接近してきた場合はかなり引き付けなければいけません。実際、5mまで接近したヒグマ(写真ですが)はかなり大きく感じ、もし実物であればこの恐怖心は相当なものであろうと感じました。
このような練習は大事ですが、クマ撃退スプレーはあくまで最後の切り札です。実際はヒグマに会わないようにすることが重要だということを忘れてはいけません。
(担当:能勢)