エゾシカのライトセンサスを実施しています
毎年、4月と10月にエゾシカのライトセンサス調査を実施しています。今年も4月26日からスタートしました。
ライトセンサス調査とは、車からスポットライトで林内を照らし、エゾシカを探して数える調査です。光で照らすと動物の目は光るので夜間に行います。
この調査、実は1988年頃からずっと継続的に実施しており、今年で30年になりました。継続的に調査することによって、エゾシカが増えているのか、減っているのか傾向を知ることができます。
エゾシカの多さは1kmあたり何頭発見したか、という数値で表すことができます。
例えば、1989年の幌別コース(知床国立公園内)における平均発見数は1kmあたり0.8頭でしたが、その後急増し2005年が最も多い19.2頭となりました。その後、知床国立公園内ではエゾシカの密度調整が実施されているので、現在は徐々に減少しています。昨年の2017年は6.7頭という結果だったので、密度調整の成果があがっているものの、まだ30年前のエゾシカの少なかった状態には至っていないと考えられます。
この調査、エゾシカ以外にも色々な動物を見ることができます。
キタキツネやエゾタヌキはわりとよく見られますが、稀にエゾフクロウ、エゾモモンガなど夜行性の鳥獣も確認されます。
今回はヤマシギを複数羽確認しました。今の時期、オオジシギの声も聞こえます。こういうエゾシカ以外の動物についても、きちんと記録に残しておきます。
自然は常に一定ではなく、緩やかにですが変化し続けています。その目に見えにくい変化を把握するためにも、このような継続的な調査が大切なのです。
(担当:能勢)