ヒグマにGPS首輪を装着しました
知床ではヒグマの生態や行動を研究するため、ヒグマにGPS発信機を装着する調査を継続的に行っています。
今回は北海道大学獣医学部と協力して、0才1頭連れのメスのヒグマを麻酔で眠らせGPS発信機(首輪)を装着しました。この個体は観察記録から4才と推定され、今年初産と考えられます。
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麻酔で眠らせたヒグマ
近年は動物行動追跡用の発信機も進化しており、GPSで緯度経度を測位して自動的にデータをインターネットにアップロードしてくれる高機能タイプがあります。ひと昔まえでは考えられませんでした。ただ機器が非常に高価なため、多くのヒグマに装着することはできません。
この度装着したモデル(Vectronic製 Vertex Plus)は、さらにカメラ機能がついており、ヒグマの目線(実際には首輪目線ですが)から見た映像を記録することができます。ただしこれは発信機を回収しないとデータを取りだすことができません。野生のヒグマがどのような世界を見て生きているのか、気になりますね。
今回の首輪装着は富士フィルムグリーンファンドから助成を受けて実施しています。
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今回装着したカメラ付き発信機
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発信機を装着したヒグマ
過去の調査データではヒグマが季節的に低地と高山を行き来している行動が確認されました。その過程で高山のハイマツ帯に発信機が落ちてしまうことがあり、回収のためハイマツの藪をこいだり、雪山を上って雪に埋まった発信機を掘ったりといった苦労がありました。その苦労も「ヒグマのことをもっと知りたい」という気持ちがあるから楽しめるのです。
首輪は一定期間が経過すると脱落する仕組みになっていますが、回収が楽にこしたことはないので、今回の発信機がなるべく回収しやすい場所に落ちることを祈るばかりです。
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麻酔から覚めて無事に再会した親子
(担当:能勢)