エゾシカのスポットライトセンサスを実施しました
知床ではエゾシカの個体群の増減を把握するため、毎年スポットライトセンサス調査を春と秋に実施しています。スポットライトセンサスとは、車からスポットライトで林内を照らし、エゾシカを探して数える調査です。光で照らすと動物の目は光るので夜間に行います。
知床国立公園の幌別-岩尾別地区で、今年も4月20日から4月24日までの5日間にスポットライトセンサスを実施しました。このエリアの調査は、実は今年で31年目になります。
今回の結果は、幌別コース(4.9km)で12~48頭(平均31.2頭/日)、岩尾別コース(4.5km)で8~34頭(平均16.8頭/日)となりました。昨年の調査では幌別コース平均32.8頭/日、岩尾別コース平均15.0頭/日だったので、平均値を見るとあまり変わっていないという結果でした。
エゾシカの多さは1kmあたり何頭発見したか、という数値で表すことができます。
例えば、1989年の幌別コース(知床国立公園内)における平均発見数は1kmあたり0.8頭でしたが、その後急増し2005年が最も多い19.2頭となりました。その後、知床国立公園内ではエゾシカの密度調整が実施されているので、現在は徐々に減少しています。今回は1kmあたり6.4頭という結果だったので、密度調整の成果があがっていると考えられます。
(担当:能勢)