電気柵稼動中です
雪が解け春が訪れると、除雪の手間がなくなりほっとします。
しかし春になるとヒグマが冬眠から目覚めるため、今度は街を防御するための電気柵を稼働させるため大忙しになります。
斜里町ウトロ地区は山側に防鹿フェンスが設置されており、シカの侵入をある程度防いでいます。しかしヒグマは器用で木登りが上手なため、フェンスだけだと登って街中に入ってしまうかもしれません。そのため防鹿フェンスの外側に電気柵を付設し、ヒグマの侵入を防いでいます。
正常な状態の電気柵はヒグマの侵入を防いでくれますが、大風や倒木、落枝、雑草の繁茂などが原因で電圧が下がってしまうことがあります。そのため私達は電圧を正常に保つために日々、目を光らせています。
近年、知床では電気柵の設置箇所が増え、延長も伸びてきました。しかし設置箇所が増えるとメンテナンスの労力も増えるため、近頃では管理の手間を省くためのICT技術が導入されています。
ウトロ地区では昨年から電気柵監視システムEfMoS(エフモス)が一部の区間で導入され、インターネットで電圧の確認が可能となっています。これによって電圧に異常があればパソコンやスマホからすぐに分かるという仕組みです。
前述したように電気柵は雑草の繁茂で電圧が下がってしまいます。知床ではエゾハルゼミが鳴き始め、生き物たちが短い夏の到来を謳歌しているようです。草本もものすごい勢いで成長するため、当面は草との戦いになりそうです(除草も自動化できないでしょうかね・・・)。
(担当:能勢)