【警戒情報】知床峠~羅臼湖入口間 (ヒグマ)
8月9日(金)の昼頃と夕方18時頃の計2回、ヒグマが車のボディーを叩く事例が、国道334号(知床横断道路)の知床峠~羅臼湖入口間において発生しました。
※この区間の周辺を徒歩で歩いたり、自転車・バイクで通過する、車から降りるといった行為は大変危険です。
道路脇にいるヒグマを見かけても、絶対に車から降りず、車内に留まってください!
知床峠から羅臼湖入口へ歩いて向かうのも当面は危険です。羅臼湖へ行きたい方は、路線バスを「羅臼湖入口」バス停まで利用するか、送迎付きのガイドツアー等をご利用下さい。
実は同日の15時30分頃、国道上記区間の16kmポスト付近で、大きなオスジカの死体を道路脇で食べている1頭のヒグマが目撃され、通報を受けました。知床財団、羅臼町役場および警察で、このヒグマを花火などで追い払った後、道路沿いへのヒグマの滞留や人への攻撃の原因となる可能性が高い、このシカ死体を回収しています。シカの死体は道路脇の深いU字溝に半分以上埋められ、ヒグマによって土をかけられていました。これは「土饅頭」と呼ばれ、ヒグマが所有権を宣言している状態です。一般論として、土饅頭に不用意に人が接近すれば、ヒグマによるブラフチャージ(威嚇突進)や、真の攻撃を誘発します。
おそらく昼頃の車両攻撃例は、自分の所有物であるシカ死体を横取りされまいとしたヒグマが、車を攻撃したものと推測されます。
18時頃の攻撃例は、回収されたシカ死体を諦められずに探している最中に、接近してきた車両に対してヒグマが攻撃をしてきたものと推測されます。これまでの私たちの経験上、ヒグマが自分の所有物である大量の肉(土饅頭)が本当に無くなったことを理解すれば、諦めてその場所への執着は収まりますが、何回かは現場へ通ってくることが多いです。その過程で、車や人が再度攻撃されることもありえますので、くれぐれもご注意ください。
【経過状況:8月15日現在】
1週間が経過しましたがその後、ヒグマが車に接近したり攻撃したりする事例は確認されていません。
エゾシカの死体を回収した場所にも特に異常はなく、ヒグマの執着はなくなったと考えられます。
警戒レベルは下がりましたが、引き続きヒグマの出没にはご注意ください。