おやすみヒグマ~野生のヒグマの睡眠とは~
環境研究総合推進費を活用したヘアトラップ調査を実施していますが、ヘアトラップ木を観察する自動撮影カメラも同時に仕掛けています。
本来は、ヘアトラ木からサンプルとして回収した毛をDNA解析にかけるにあたり、何頭のヒグマがヘアトラ木を訪れているか、ヘアトラ木のどのあたりで背擦りをしているか、確認し解析に役立てるためのものなのですが、半島中に60箇所以上仕掛けられていることもあり、驚きの映像が数多く撮影されています。
そのひとつを今回はご紹介します。
国立公園内のとある調査サイトでオスのヒグマが夜間に睡眠(!)をとっていました。
7/8 夜20:43 横になって寝ている姿から撮影開始
横になったり、寝返りをうったり、お腹をだしてあおむけになったり、足を伸ばしてみたり・・・ひたすら寝ている
7/9 早朝4:31 起きてヘアトラ木に背擦りして撮影終了
睡眠時間はなんと約8時間でした。
調査で使用する自動撮影カメラはセンサーで動く生き物を感知し撮影を開始します。ヒグマの寝姿を撮影した動画ファイルは36本ありましたが、30分や1時間近く撮影がとぶこともあり、その間、このヒグマは微動だにせず寝ていたものと思われます。
年配の男性を想像させる寝姿は、なんというかヒグマを身近な生き物に感じさせてくれます。知床で長くヒグマに接してきた職員も初めて見た!と驚くヒグマの寝姿、貴重な映像となりそうです。
ヒグマの調査の思わぬ副産物のご報告でした。
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就寝(夜20:43)
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足を上げて寝ています(夜中01:41)
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寝起きの背擦り(早朝4:31)
追伸)
調査を継続していると・・・7月21日にも同じ場所で寝ているヒグマがいました。(同じ個体かは不明ですが、睡眠時間は3時間ほど)。調査地点を寝床にしまったのかもしれません。
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また足を投げ出して寝ている
・・・
昨年度(2019年度)から3年間の予定で、「遺産価値向上に向けた知床半島における大型哺乳類の保全管理手法の開発」と題し、北海道立総合研究機構と北海道大学、知床財団が共同で調査・研究に取り組んでいます。実施にあたっては(独)環境再生保全機構の環境研究総合推進費【4-1905】を活用しています。
(清成)